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院長ブログ

鬼滅の刃にみるリハビリテーション

2025/11/20

劇場版「鬼滅の刃 無限城編」について、ずっと記してきました。

少しさかのぼり、物語の初期に描かれた「リハビリテーションの場面」を改めて思い出しました。

炭治郎たちがまだ鬼殺隊に入ったばかりで、力も経験も十分ではなかったころのこと。

全集中の呼吸を「常中(常に維持)」できず、苦戦していた時期に、彼らは「蝶屋敷」という施設で怪我の治療とリハビリを受けていました。

そこでは、まず薬による治療。

続いて、リハビリテーション室でのストレッチや可動域訓練。

その後、上半身を使ったアジリティ(敏捷性)訓練、さらには下半身を使った俊敏性と持久力のトレーニングへと段階的に発展していきます。

持久力訓練も、ただ走るだけではなく、鬼ごっこという「反応動作」や横方向・ターンなどの三次元的な動きを取り入れており、実に理にかなったプログラム構成です。

薬物治療と運動療法を組み合わせる、まさに現代的な「機能回復訓練」と言える内容で、初めて見たときから非常に印象に残っています。

終盤では「呼吸」をテーマとした訓練も描かれます。

胸郭や肋骨、肩甲骨の動きを改善することで痛みを軽減できることは、整形外科でも非常に重要なポイントです。

この点に注目して描かれているのは、リハビリテーションの本質を突いていると感じます。

また、炭治郎の仲間の1人は、肉体的なケガだけでなく「自分は弱い」と落ち込む心の痛みも抱えています。

物語の中で、まず休養をとり、そして体を動かしていくことで、再び前を向く姿は、まさに心身両面からの回復過程そのもの。

痛みというものは、身体だけでなく、心理的・社会的な要因が複雑に絡み合って生じることが知られています。

我々、整形外科医やリハビリスタッフも、その視点を常に忘れてはいけないと感じさせられます。

ストーリー全体からすれば小さな場面かもしれませんが、あの蝶屋敷での描写には、「人が回復していくプロセス」が凝縮されているように思います。

アニメを通して、医療の本質を改めて考えさせられた印象的なシーンでした。

みなさまに体現できているかわかりませんが、蝶屋敷をクリニックで再現できればなんて考えています。
痛いストレッチとか、お茶を顔にかけるなどのプログラムは予定しておりませんのであしからず。